家族信託の実例4

子がいない夫婦

 子がいない夫婦が増えています。

 そうした夫婦は自分たちの財産をどうすればよいのか悩むところです。

 よく聞くのは、お互いに遺言書を書いて、「すべての財産を配偶者に相続させる」というものです。

 しかし、多くの夫婦が結論を出さずにそのままにしています。

 何もしないと下記の上段のように、どっちが先に亡くなるかによって、財産がどこに行くかが変わってしまいます。子がいないのですから、配偶者が亡くなった場合、財産の3/4がもう一方の配偶者のところに行くことになるでしょう(法定相続割合)。そして、そのもう一方の配偶者が亡くなると、その最後に亡くなった配偶者の一族に継がれていきます。

 遺言書を書いてすべての財産を配偶者に相続させるというやり方ですと、配偶者の兄弟姉妹が絡まない分精神的に楽ですし、法定相続人の誰かが認知症等で意思判断能力がなくて成年後見人を付けなければならないという煩わしさもない分、お年寄りにはさらに楽でしょう。

 ご夫婦のことだけを考えるのであれば、お互いに遺言書を書いて「すべての財産を相続させる」でいいのですが、その財産(特に不動産)を相続させたい人がいる場合(例えば甥姪)、これでは目標が達成できません。

 図をみながら説明していきます。

 例えば、①夫が先に亡くなった場合、夫の財産(夫固有の財産と夫婦の財産(不動産等は夫の名義になっている場合が多いです)、及び親から相続した財産)は妻に全部行くか、3/4が妻のところに行くでしょう。そしてその後妻が亡くなったときに、妻の兄弟姉妹もしくは代襲相続で妻の甥姪のところに継がれていきます。

 ②妻が先に亡くなった場合、妻の財産(妻固有の財産と、親から相続した財産)は同じく夫の兄弟姉妹もしくは夫の甥姪に継がれていきます。

では、遺言書をどう書けばいいの?ということになるのですが、残念ながら、遺言では2次相続、3次相続は書けません。遺言で書けるのは一代限りです。ここが重要なポイントです。

次の世代、さらにその次の世代へと財産の引継ぎを連続することを、2次相続、3次相続といいますが、遺言ではそれを指定することは出来ません。

 しかし、家族信託を使えば、受益者連続信託という機能でそれができるのです。

 これが家族信託の大きなメリットであり、家族信託の売りの一つです。

 これを使うことで、最終的な財産の帰属先が指定できるということです。

 

 家族信託がすべての方にとって優れているとは言いません。選択肢の一つと考えていただければいいと思いまます。あなたの財産の残し方の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

(2023/01/06)

 

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